測量野帳の革製カバーを作った
レザークラフトを再開したのでリハビリがてらいつも使ってるコクヨの測量野帳用のカバーを作ってみることにした。
ちなみに完成品はこちら。
設計
メインはカバーであること
いつもならいろいろと機能を足したいところ、今回はただのカバーで行くことにした。野帳の薄さのメリットを生かす方向で。
- 素材
- よく1.5mm厚の革を使うけど、今回は1.0mm厚
- 色はなんとなく赤で行く。染料が余ってるし - 機能
- 開けて左に紙挟み
- 右にはカードポケット
- 紐のしおりを付けようと思ったけどごちゃっとするのでやめた - チャレンジ
- できるだけピッタリサイズで
- カービングはせずに型押しな感じでどこまでキレイに行くか
制作
下準備と切り出し
寸法を測って、ドローした図面を作って出力は変わらず。前回、Kindleケースで失敗したので今回は縫い目を表す線も入れた。今までは切り出す前に床面を処理してたけど今回は切ってからにした。残った革の汎用性がこのほうが上がると思たので。
直線が多かったので比較的楽に切り出しまで完了。カービングのナイフ入れる前の段階までやってしまう。水を付けた革に文字部分を鉄筆でなぞる。やはり革が1.00mmと薄めのためにくっきりとまではいかない。
溝引きと染色
いつもどおり縫い目用の溝を掘ったら、ヘリを落として染色。赤を使ってるのもあるけど、やっぱり革が薄めなので上手く濃く入らない。ちなみに文言は映画『燃えよドラゴン』より「Don't think, feel.」から一節。
縫う前の準備
全体、といっても上部と下部しかないけど、その前に縦のラインだけ先に内側に入る、紙挟みとカードホルダーを取り付ける。まず、縫ってしまうと手が出せない部分のコバを処理して。それから縫い。
縫いと仕上げ
あとは上側と下側に縫うための穴を菱目打ちで空けていく。溝を掘ってあるので特に難しいことはない。
この時、端までやってしまわないように注意する。革の折り返してある部分は縫わない。
穴が空いたら縫い。作りが単純だから上と下で一本づつ縫えばいいだけ。
最後にコバの処理。今回はコバスーパーは使わずにトコノールつけて磨く感じで。なのでしっかりヤスリ掛け。あと、裏表紙の上にでっぱり作ったのは開き易くするために指で掴む部分なので、ここの角も落としてアールを作っておく。
完成品と所感
完成品の写真の内側。
- 成功
- 文字入れはうっすらなら鉄筆だけでもなんとかなる
- ただしできれば厚めの革にナイフ入れるほうがはっきりする
- ロゴマークは型押ししたら鉄筆で入れなおすと良い感じ
- 紙挟み、カードホルダー、開き補助の指掴み部分の機構は上手く行った - 失敗
- ピッタリ気味に作るつもりが入らないレベルでギチギチになった
- そんな頻繁に出し入れするものじゃないからなんとかなるけど
- 使っていくうちに馴染んで少し広がることを期待
- カードホルダーもギチギチ
全体的にサイズに失敗した感じが否めない。頑張らないと出し入れできない。ともあれ、出来うる最小、最薄サイズで野帳カバーはできたと思う。野外で使用されるのを想定したものに水に弱い革でカバーをかけるのは少しナンセンスな気がしないでもないけど、革の触り心地が手に馴染むので良い感じ。
野帳を好んで使う人をヤチョラーと言うとか言わないとかって話しがあったり、野帳をデコったりする人も居るらしい。これは僕なりのカスタマイズになるね。いつか作り直すときが来るとしたらせっかくの縦長の形を生かしてミュシャ風のカービングに凝ってみたいと思う。