失敗を糧に作ったキーケース兼iPhoneケースが調子良い
ちょっと前まで失敗続きだったレザークラフトだけど、会社から仕事用携帯としてiPhoneを支給されたのを機にキーケースとカードケース機能も追加したケースを作ってみたら思いのほか使い勝手が良く大満足。
まずはこれが完成品。
設計
これまでの失敗策と気になる点を糧に
まずよくあるキーケースの作りの使い勝手の悪さ。ボタンで開けて、数本あるキーの中から該当のものを選ぶ、鍵をかけて(もしくは開けて)、またしまってボタンをとめる。と、鍵を開け閉めするには工程が多すぎてストレス。ジャラジャラするのもイヤ。そして失敗策の反省は無駄に大きかったのと、ギチギチに作りすぎたこと。
- 素材
- たまたま見かけたコーティング加工された革が安かった
- いつものように塗りやらしなくて良いので楽でしかも丈夫 - 機能
- 鍵は回転式で取り出す
- 失敗してた財布やらに搭載されてた機能をさらにブラッシュアップ
- 交通ICカードも楽に使えるようにカード入れも搭載
- 余ったスペースはなにかカード的なものを挟めるよう
- iPhoneケースは迷ったあげく、100均のものを接着
- 要は固定できてりゃ良いわけで
- もちろんDカンつけてウォレットチェイン的なものに付けられるように
制作
下準備と切り出し
いつもながら設計には頭を悩ませた。日常的に使う鍵は3本あるので、それをどう搭載するか。ポケット等に入れたときに他の物に当たらないようにカバー部分を作りつつ取り出しやすくしなきゃいけない。同時にカメラの場所も確保しなきゃいけないわ、閉じたときに閉じたままにしたい。が、ボタンにすると面倒。基本的に片手運用しやすいように。
そうしてできた型がコレ。
型どおりに切り出したら一番表面に来る部分は溝を掘る。前回適当に作った試作でわかったけど、やっぱり溝があるとないとで糸の収まり具合に差が出るし、なによりメリハリがつく。
縫い穴開け
今回は秘密兵器で、ハンドプレス的な機械を導入した。これだとハンマーを使わないので、音が出ない。集合住宅でもへっちゃらマシン。もちろん先端も変えられるから、ポンチも抜けるしボタンも付けれる。新兵器の使い勝手を味わいながらバシバシ穴を開けていく。
縫いとiPhoneケース付け、そして仕上げ
新兵器で穴を空けて終わったら縫い。今回の重ね合わせはそんな複雑ではなかった。強いていえばキーホルダー部分の回転させる為のところがちょっと悩んだくらい。あとはバシバシ縫っていく。やっぱり縫っていく工程が一番好き。できあがりがわかってくるし。糸がキュっと収まっていくのが気持ち良い。
縫い終わったら内側に100均で買ったiPhoneケースを接着。ここは深く考えずに革対応のボンドでペタリ。クリップとクランクで乾くまで固定。このiPhoneケースだけで使うと思うとアレだけど、パーツとして使うのであればかなり良い感じ。
接着が終わったら角や余分な部分を落として、仕上げのヤスリがけとコバ磨き。今回はテストも兼ねて以前自作した小さいコバ磨き棒を電動ドライバに装着して電動コバ磨き。思ってたより重くて疲れたのでやっぱりいつかリューターが欲しいところ。
完成品と所感
完成品の写真をいろんな角度から各機能がわかるように。
- 成功
- 鍵はかなり取り回ししやすい機構を実現できた
- 片手で目視せず手の感覚だけで該当の鍵が出せる
- ジャラジャラしない
- iPhoneもしっかり収まってる
- Dカンも良い感じについてワイヤーリールと相性が良い
- 閉じたとき、マグネットでちゃんと閉まる
- カードケース部分もしっかりカードも入ってICも反応する - 失敗
- すこし寸法に余裕を持たせすぎたのかやや大きめ
- 真ん中が逆側に開きにくくやや電話しにくい
と、今回に関していえば失敗よりもiPhoneも鍵も交通ICカードもひとまとめにできたうえに取り回ししやすいものに仕上がったので失敗はゼロではないものの、久々に自分の満足行く仕上がりとなった。
いつもどおり実験的な工程をやってみたり、今回で言えば静音型新兵器を導入して手応えがあったのと、いつも使わないコーティング済みの革を使ってみたことが大きかったし、結果的に成功したのが良かった。染色やカービングの楽しさとは別に革の種類にも興味が湧いてまた一段と沼が深くなってしまった。
ちなみに僕の静音新兵器の構成はコレ。