UXデザインの基礎知識の講義を受けにいってきました
昨日、ユーリカ株式会社が催行しているUXトライアウト・2時間で学ぶUXデザインの基礎知識にブログ書く枠として参加させていただいたのでそのレポートです。
詳細な内容は講義を受けたほうがより正しい内容なはずなので、主には概要と感想です。
イベント概要
UXデザイン会社のユーリカ株式会社さんで定期的に行なわれる「UXトライアウト」と題したコースがあって、基礎知識からUXデザインで行なわれる各行程ごとに2時間のワークショップ。どんなものがあるかはTECH PLAYのユーリカ株式会社|UXデザインで売れるモノづくりを応援しますのイベント・技術情報 - TECH PLAY[テックプレイ]で見ると良さそう。
ちなみに通常は有料の講義だけどブログ書く枠は抽選枠ですが無料参加で募集しているようです。
参加動機
常々良いものづくりをしたい、と思ってるのは開発者はみんなそうだと思うんだけどじゃあその「良いもの」を狙うにはUXデザインしないとね、と思ってたのが発端。
以前からUXデザインに興味があったけど、聞いたことあるレベルだったりぼんやりなんとなくレベルの知識だったので具体的にどうやるんだろう、ということをまず知りにいきたかった。
先に結論から言えば、「これは、(デジタルアナログ問わず)ものづくりをする人にとって必修でしょ」と思えるぐらい良かった。
講義について
今回の「UXトライアウト・2時間で学ぶUXデザインの基礎知識」というコースは他のコースは基本的にワークショップらしいのだけど、今回に限っては基礎知識なので基本的には座学。
大きくわけて
- UXデザインとは
- UXをデザインする方法
- UXデザインの手法の解説
の3部構成。
UXデザインとは
まず講師の森山さんは強く強く「UI/UX」と良く言われるが、これらは全く別モノで関係がない。ということを強調しておられた。 これには僕も全く同意でそこここで並記されて同一のくくりで語られることはもちろん、混同してる人も多い印象を受けてた。
そもそも「インタフェース」と「エクスペリエンス」は言葉として全く別で、僕個人では混同してるのを見ると「略語の意味すら調べない、自分の使う言葉に無責任で無頓着な人」という印象すら受ける。
つまりUXはエクスペリエンス、ユーザーの体験をデザインすることであって、UIは体験に影響を与えるほんの一要素でしかない。ということ。最初にこれを強調して話されてたのが良かった。以前なんかのセミナーでUI/UXについて語るようなものに参加したこともあるけど、そういう話がなかったので。
常々なんで別モノが並記されてるんだろう、と思っていたけど講師曰く「企業の採用ページなどで「UI/UXデザイナー」と書かれることが多く、そこから一般化してしまった」とのこと。
これにはなるほど、と思った。確かにUIデザインとUXデザインは兼任できるだろう。すべきかどうかは別として。また面白い言い方だとUXデザイナーというのはプロダクトのUXに関する監督だと。
UIはUXを左右するほんの1要素なだけ。
UXをデザインする方法
UXとは要は、
- いいね! と思う気持ち
- その気持ちに至るまでの過程
- その気持ちを動機とする行動
の全て、というのをふまえたうえで「人の気持ちは設計できないけど、過程は設計できる」という言葉が印象的だった。この一言でいろんなものが腑に落ちた。ありがとうございます!
ここではその過程についてどんなものがあるか、という話を受けたんだけどその中でも「期待外れはUX的にマイナスなので期待外れを興さないように適切な予想を与える」というのが印象を受けた。ただ「これ良いよ!」って思わせればいいもんじゃないんだな、と。
で、いろんな方法の1つとしてUIデザインパターンとかガイドラインとかあるけど、それだけだと足りないので、ISO 9241-210(人間中心設計プロセス)とUXデザイン手法の、ユーザー調査、ユーザーモデリング、理想シナリオ、プロトタイピング、UX評価の説明。
UXデザインに関する手法がISOに定められてるのは全く知らなかった。それで良く話に聞くペルソナやらシナリオとかカスタマージャーニーマップとかっていうのはこの行程の中の1つ。
UXデザインの手法の解説
ここは前章で紹介されたUXデザインのプロセスについてあるサンプルにそって、1つづつ説明を受けた。例えば、インタビューはどのようなもので、それから次の行程がこうできてきて、ペルソナ作りに移行して、というような感じ。
簡単なサンプルではあるものの十分にその過程と様子とやりかたの概要は掴めて非常に有意義な説明だった。おお、なるほど、こうやるのね、と具体的にイメージできたような。
で、やっぱりUIデザインは中に出てくる。プロトタイプの作成のところで。だからやっぱりUIはUXに影響を与えるほんの1要素以上ではない、ということ。
感想
前半のUXとUIは別物で、こういうもの。っていう話、UXデザインってこういうこと、みたいな話まではだいたい知識として持っていた。そういう説明をちゃんとされたことが、けっこう自分の中で有意義で、一見持ってる知識を再度説明されるって無駄なように見れるけど、自分の理解の確認、言語されてよりクリアな認識になる、という意味は大きかった。
後半のUXのデザインの技法については、エンジニアとしてプランナーさんとかディレクターさんとかと一緒に仕事しているわけだけど、彼らはちゃんとそこまでやってるのかな、という印象。
正直、会社としてこういうセミナーや講座に授業料払ってでも行かせるべきだろうなあ、と思うし、行かしてくれないなら自分から行くべきだな、とも。エンジニアは進んで勉強するけど、エンジニア以外の職種の人が勉強会とかセミナーとか積極的に行くって話はあまり聞かない。
冒頭でも言ったけど、UXにかかわるならこのあたりまでは必修じゃないかな、と思う。
一方個人的な興味に立ち返ってみれば、StrengthFinder調べで僕の資質に「回復志向」というのがあって、これを自覚してから感じるようになったのが「僕は本来の価値を十全に発揮できない状態が嫌い」らしい。
別の見方では貧乏性というか、もったいないというか。なので「モノ自体はいい」とか、上手く機能してなくて改善する余地がある、とかそんな状態が大嫌いらしい。その価値の最大化する手段としてUXデザイン技法が使えそうだなぁと強く思った。
なにもプロダクトに限ったことじゃなくて例えばチームビルディングに関しても、チームメンバーはみんな良いところあるのに、いろいろやり方が良くなくって価値を最大化できてない、とか。それをUXデザイン技法を用いて良い方向に持っていくことも可能だろう。
あとはゲーム。ゲームってプレイヤーに楽しませるのが目的なんだけど、そこには凄く細かくいろんな心理状態への働きかけがある。ボードゲームとかやると特に顕著で、ジレンマを上手く発生させたり、とかね。
UXにつながる心理状態を作り出すための過程のデザイン、というのはかなり広範囲に応用の効くものだろうだと感じた。
そんなわけでUXデザインの興味と勉強は僕の中でもうちょっとプライオリティ上げてもいいな、と感じた。まだまだエンジニアとしてレベルアップしたいし、エンジニアとしての勉強もやりたいもの全部は難しくて効率的に適切に捨選択していかないといけない状況だけど。
これまでにも書いたけど、デジタルプロダクトだけでなくアナログでもUXデザイン技法は変わらず使えるので、ものづくりに携わる人みんな基礎ぐらいは知って損はないです。
満足度すごく高い講座でした。また別のクラスも是非参加してみたい。