Pomodoro Technique 再入門 - 今まで僕のやっていたものがポモドーロテクニックは全然理解せずにやっていた違うものでした
勤務形態が変わり、これを機に仕事(作業)をこなす1つの方法としてポモドーロテクニックに再入門しました。これが予想以上に衝撃で、今まで自分のやっていたポモドーロテクニックは全然ポモドーロテクニックのことを理解していないものだと知りました。
ネットの情報やポモドーロテクニックに触れた仕事術的なものを読み、実践してきたつもりがまったくポモドーロテクニックことをわかっていなかったことがわかりました。これでは上手く続けられるはずも、効果的に実践できるわけもありません。
やはり何事もわかったつもりでアレンジしたり、我流で始めてはいけないと思い知ったとともに何が違ったかというお話。
この話の想定読者
- そもそもポモドーロテクニックを知らない方
- 聴いたことはある、もしくは多少やったこもとあるような方
- ネットで調べて知っていて実践してみている、しかしなんか上手くいってない気がしている方
あたりが対象です。つまり以前の僕と同じような方ですね。
概要
- 勤務形態の変化とともに仕事(作業)の取り組み方の再考としてポモドーロテクニックの本をちゃんと読んだ
- ただのタイマーを使ったテクニックではなく、むしろタイマーはポモドーロのほんの1要素なだけ
- 時間とタスクの管理術であり、積み重ねと分析で精度を上げつづける1つのシステム
ポモドーロテクニックis何?
ポモドーロ・テクニック - Wikipediaを見るとこう書いてあります。
- 達成しようとするタスクを選ぶ
- キッチンタイマーで25分を設定する
- タイマーが鳴るまでタスクに集中する
- 少し休憩する(5分程度)
- ステップ2~4を4回繰り返したら、少し長めに休憩する(15分~30分)
一般的に良く知られているのはこの部分です。
ちなみに名前の由来はポモドーロはイタリア語でトマトの意味で、提唱者がトマトの形をしたキッチンタイマーを使って始めたのが由来だそうです。
キッチンタイマー以外にもスマホ、デスクトップやWebアプリ問わずポモドーロテクニック用のタイマーアプリはたくさんあります。
しかし、これはあくまでエッセンスの1つであり、ポモドーロテクニックの全てではありません。それをこれから紹介していきます。
再入門にあたって読んだ本
ポモドーロテクニック提唱者の本です。
このまとめとしてマインドマップを書いてみました。
このマインドマップは前半の一人でポモドーロテクニックを実践する方法であって、他にも複数人で実行する方法や、実践するうえで起こりやすい問題とその対処法法についても書かれています。
ポモドーロテクニックはただのタイマーを用いた集中術にあらず
さきほど書いたように25分という時間で区切って仕事を進めていく、というのがポモドーロテクニックの根幹です。
事実、公式サイトThe Pomodoro Technique® - proudly developed by Francesco Cirillo | Cirillo Consulting GmbHでも同じように説明されています。
この集中してタスクを実行するやり方はポモドーロテクニックを語るうえで不可欠かつわかりやすい部分でもあります。しかし、ポモドーロテクニックのタスクの実行部分はそのとおりですが、それはあくまでもポモドーロテクニックの一部分であり全てではありません。
ポモドーロテクニックの真価は集中状態が持続できる25分単位で仕事をすすめていく、それを実行し続けるための1日を通したタスク管理術であり、データの集積による分析と精度の向上まで含まれているところです。つまり単純にタイマーで区切って作業するだけではありません。
ポモドーロテクニックとはなんなのか
前章でも述べたとおりポモドーロテクニックは時間管理術でありタスク管理術でもあります。
5段階のステップがあり、
- 計画: 1日の始め
- 追跡: 日中
- 記録: 1日の終わり
- 処理: 1日の終わり
- 視覚化: 1日の終わり
を実行していきます。最初にタスクを見積ってプランニング、実行しながら見積りと実績の差異を記録し、1日の終わりに振りかえりながら視覚化します。そうすることでタスクの見積もり精度を上げていきます。
このために
- 今日やることシート
- 仕事の在庫シート
- 記録シート
という3つのシートを使っていきます。なお、シンプルであるべきとされているので(デジタルなシステムは複雑性を生みやすいため)アナログな手書きをオススメされています。
計画
1日の始めに仕事の在庫シートを見ます。在庫シートから今日やることシートへ、今日やることに落としこみつつ移していきます。この時の注意点は以下の通りです。
- そのタスクにかかる時間を見積り必要ポモドーロ数も併記する
- 5-7ポモドーロを越える作業は分割する
- 1ポモドーロ未満の作業は組み合わせる
ここで特に触れたいのは、あらかじめ必要ポモドーロ数を見積もる行為です。この見積もりは1日の作業量とどれだけできるかをあらかじめ把握するとともに、後に見積もりと実績がどれだけ差異が生じたか分析するために重要です。
追跡
計画したプランにしたがってタスクに集中していきます。ポモドーロテクニックでは中断が発生することは折り込み済みで、それにどう対処するかが考えられています。内的中断とされる別タスクを思い出したり、気が散りそうになったとき、外的中断とされる
他者から話しかけられたり依頼があるケースも対応は同じです。
- 今日やることシートの現在実行中のポモドーロに印をつけます(内的は
'
、外的なら-
) - 対応を決める
- 今日中なら、今日やることシートの「予定外&緊急」欄にタスクを追加
- 後日でOKなら、仕事の在庫に記録して
U
(unplanned)マークも併記する
- 現在のポモドーロの作業に戻る
これによって中断が発生する頻度と種類の分析が可能になります。
タスクが完了した場合はタスク自体を打ち消し線で完了状態にします。見積もり通りに終わらなかったらその際に追加でいくつポモドーロが必要か見積もりわかるように見積もりポモドーロ数を加えてきます(例として、計画時点では□(四角)、追加する場合は○(丸)で書いていき、ポモドーロの完了とともに×を中に書いていきます)
記録、処理、視覚化
1日の終わりに記録を分析して視覚化していきます。
すでに追跡した結果から、見積もり予測と実績を比べてどの程度正確に予測できていたか、自分が1日でこなせるキャパシティがどれくらいか、どのぐらい予定外の作業が発生したか、などがわかります。
必要であればこれらの情報を記録シートに記録します。これを積み重ねていくことで状況の把握と精度の向上を図ることができます。
個人的見解と感想
上に書いたのでさえも要約ですので、気になる方は是非本を読んでみてほしいと思います。
これらを理解して以前よりちゃんとポモドーロテクニックを活用して集中して作業が進むようになりました。
ここに書いてない話で、1日の前半はポモドーロテクニックのプランにそってこなせているものが、後半にはだんだん守られず破綻していくというパターンがあります。
これは僕の所属するコミュニティでも聞いてみたところ、多かれ少なかれみなさんあるようです。
僕の場合、だいたいはミーティングなどの時間が固定された作業の後、突発で最優先でとりかかるべき作業の後、など強制的にポモドーロテクニックの管理外作業の後にプランニングの流れに戻れないケースが多々ありました。
おそらく、こういうケースは休憩やタスクの切り換えを意識すると良く、作業の切り換えはあえてハッキリさせるとちゃんとまたポモドーロの流れにのれるようです。
つまりポモドーロテクニックの休憩は、集中して作業をするためにも必要な要素とも言えるでしょう。
今回ポモドーロテクニックをちゃんと学んでみて予想以上にしっかりしたシステムであり、いかに自分が中途半端な知識でやっていたかがわかって良かったです。
こういったライフハック、仕事術の類いはネットで調べると簡単にわかるもののは多くは表層しか説明されてないものがほとんどですね。GTDの時もしかりで、基本や源流を1度はちゃんとあたってみることの大切さがわかりました。
武道の世界には守破離という言葉があります。1段階目として教えを守り、2段階目で教えを破る、3段階目で教えを離れる。そうしてより高みに近づけるというものです。型を知ったうえで型を破れば型破りですが、型を知らずして我流でやるのは型無しです。
ポモドーロテクニックも銀の弾丸ではなく、カバーしきれない部分や状況に適合せずにアレンジが必要なこともあるかもしれませんが、できる限り基本に忠実に実践していきたいと思います。