リモートワーク用に最適なデバイスを求めたら骨伝導イヤホン+ピンマイクに辿りついた
非常事態宣言が解除されましたがリモートワークを継続する職場も多いのではないでしょうか。そして夏の気配が色濃くなってきた今、リモートミーティング用にヘッドフォンが暑くなってきました。
いろいろ思案して、骨伝導イヤホンとピンマイクの組み合わせに辿りついたんですが、これがかなり良いというお話。
概要
- 従来のヘッドフォン/イヤフォンは耳が痛い&暑いので骨伝導タイプを買った
- Bluetoothのマイクはプロファイルレベルで音質が悪いので別途ピンマイクも買った
- ゲーム機にも使えるようにトランスミッタも買ったらなお良かった
骨伝導イヤホンis何?
人間は単に耳から入った振動を音として感知しているだけでなく、骨を伝って入る振動も音として感知しています。
わかりやすいものは自分の声です。自分の声を録音して聞くのと自分が日頃感じている声が違うように聞こえるのはこの骨伝導があるためです。
骨伝導イヤホンは通常のイヤホンやヘッドホンのように耳から音を入れるのではなく、装着した部位からの骨の振動を利用して音を届ける仕組みのイヤホンです。
骨伝導のメリット、デメリット
まずメリットとして耳や耳の穴を塞がなくていい点。これによって、通常のヘッドフォン、イヤフォンによって感じる暑さが低減されます。また、イヤフォンだとすぐ耳が痛くなってしまう方にもオススメです。
さらに耳を塞がないため周囲の音も聞こえる点のもメリットです。
デメリットとしては、音質が音楽鑑賞向きではない点。音の伝播を骨伝導に頼る以上、通常の耳から入る音に比べて解像度が落ちます。ただし聴きとりにくいというような類いの劣化ではないので、音楽鑑賞メインのような用途でなければ十分実用的です。
骨伝導を導入した動機
まず最初に述べたように、リモートワークが中心になりヘッドセットを着ける時間が増えました。僕はカナル型のイヤフォンは耳が痛くなってしまい苦手です。変わりにマイクブームの付いたヘッドフォンを使っていましたが、夏が近づくにつれ暑くなってきました(さらにambieというオープンなイヤフォンも使っていましたがこれも後述の不満がありました)。
COVID-19が働きかたに与えた影響は不可逆なもので、以前の世界に戻らないと思っています。After COVID-19はLive With COVID-19と考えるべきです。これからも今より減るとしてもリモートで仕事する時間は依然として多いのは継続すると思い、自分に適したデバイスを探すことにしました。
耳が痛いのに加え、ウチには乳幼児や同居人がいます。特に乳幼児からのアラートは即座に反応する必要のあるものが多く、密閉型ヘッドフォンやカナル型イヤフォンのように外の音を聞こえにくくはできません。僕個人としても外部の音をシャットアウトしなくても集中できる(むしろ多少音があるほうが好きな)タイプなので耳穴をオープンにできる骨伝導を検討しました。
クイックレビュー AfterShokz TREKZ TITANIUM
今回僕が購入した
についてレビューします。
接触部位は耳のすこし前あたり。左右をつなげているバンドは柔軟性はあるものの固めです。とはいえスポーツなどの激しい運動をしなければ問題ありません(リングフィットアドベンチャー程度の運動では問題ありません)。
装着感としては、接触してる以上異物感はゼロではないもののイヤフォンのそれより格段に小さいです。メガネ以上、イヤフォン以下というところでしょうか。
着脱はかなり楽です。ベストポジションは慣れが多少必要ですが、耳穴にねじこむことも、耳穴にセットすることもありません。ただ被せるだけという着脱の手間はヘッドフォン程度で簡単に着脱が可能です。今のところメガネと併用しても問題ないです(ただし眼鏡のツルの形状による)。
やはり耳穴を塞がないのでイヤホン、ヘッドフォンに比べ格段に涼しく開放感があります
音質も音楽鑑賞でなければ全く問題なく、むしろ耳穴を塞がないのに音が聞こえてるのでambieに近い感覚。自分だけBGMを聞いてる感じになりますね。作業しながら音楽をかけたい場合などは最適です。
音漏れは無ではありません。オープンタイプのイヤフォンと同程度でしょうか。満員電車で爆音はキビしそうに思います、が、今回はリモートワーク用なので問題ありません。同じ部屋に居る人、のように距離が少し空けば全く問題ないです。
ちなみにペアリング機器は2台までです。僕は仕事用のMacBookProと後述のゲーム機用の2つにしています。
VS ambie
ambieという別の方法で耳穴をふさがないイヤフォンがあります。別種のもので使用感が一番近そうなので比較してみます。
こちらは外耳にスピーカーを挟み、耳穴に向けて音を飛すタイプです。
同様に音質は多少に犠牲にしつつ、自分だけに聞こえるBGMといった感じです。自分だけにBGMが聞こえる感覚は骨伝導もかなり似ていますね。
また音洩れは同程度でしょう。どちらも密閉しないので多少外部に漏れてしまうのは不可避ですね。
骨伝導が完全に勝ってる点として、骨伝導は耳栓が併用できる点です。外部の音を一時的に遮断したい場合、骨伝導をしながらでも耳栓を使えば耳から入る音を低減できます。ambieではこれができません。
いままで有線タイプを使っていましたが、これでも耳が少し痛くなるのと、なにより着脱が少しコツがいる点、着脱時にイヤーピースがかなり外れやすい点が不満でした。特に後者が致命的です。なくなります。
BT版も使ったことありますが、首掛けからの有線のタイプで個人的にはケーブル部分が首周りに接触するのが不快でした。
Bluetoothの落し穴
Bluetoothヘッドセットを語るうえでプロファイルの差異は意識する必要があります。
Bluetoothで使われている通信には音に関しては大きくわけて音楽鑑賞用のプロファイルと通話用のプロファイルがあります。
音楽用に比べ通話用プロファイルの音質はあまり良くありません。それこそ骨伝導、骨伝導以外の違いよりも遥かに大きく劣化します。
また、聞こえる音だけでなくマイク側も同様です。これがBluetoothヘッドセットでの通話時は有線接続に比べて音がこもって聞こえたりなどクリアでない原因はここが大きいです。
つまりBluetoothでの通話時に音質が有線接続に比べて悪くなるのは基本的に避けられないものと思っていいでしょう。
マイクを別途用意する
そこで、別途マイクを用意することにしました。音は音楽用プロファイルで聴きつつ、喋る声はBTではなく有線接続したマイクから入力することにしました。
僕はピンマイクにしました。理由としては作業しながら会話することも多く打鍵音などは拾いたくない(同居人含む)生活音を入れたくない、という理由です。上記理由がなければスタンドマイクでも良いでしょう。
(ただしPC内蔵マイクは不可。打鍵音をかなり拾うため聞いてる方のストレスでしかありません)
僕の買ったものは
です。MacBook Proに接続のため4極からマイクとスピーカーに分配アダプタを噛ませて使っています。もしくは打鍵音や振動が伝わらない近くの場所に置けば簡易スタンドマイク的にも使えます。
総合的使用感
かなり良くなりました。BTイヤフォンで頭にスチャっとつけるだけなので装着がとても楽です。線のとりまわしもありませんし、耳穴にはめこむ手間すらも必要ありません。耳穴にはめこむ手間すらも必要ありません。
蒸れもせず、暑くなく快適です。さすがに長時間の使用では異物感がゼロではないため疲れもでてきますが、それでもイヤフォン/ヘッドフォンに比べれば楽です。
音質も音楽鑑賞用途には使わないのでとても満足です。ミーティング以外の時間も装着してうっすらBGM的に流したりできてとても良いです。
1点だけ残念な点をあげれば、音量が大きいときに重低音や低音ボイスな人との会話をすると振動が大きくくすぐったさを感じることがありました。とはいえ慣れと音量調節で今はそこまで気になりません。
マイクとの併用も良好です。マイクは有線ですが会話が必要なケースではPCの前にいる(=有線の範囲内にいる)のが当然なので特に問題ありません。ピンマイクなので着脱も楽です。
充電も依然の記事で書いたように、マグネットタイプのアダプタを噛ませてるので手軽です。お昼休憩の時とかサっと接続しています。
総合点で言えば予想していたより遥かに良い使い勝手になりました。
良かったのでゲーム機でも使えるようにしました
うちでは居間に僕のPC&ゲーム環境があり、そこには別にTVがあります。当然併用されることも多いです。また隣の部屋では乳幼児が寝ていることもあるため音を控えることもあります。
骨伝導の使い勝手が良かったのでゲーム機でも使えるようにとこんなものを買いました。
これはデバイスとしてはUSBオーディオ機器として認識されます。音声信号をBluetoothでペアリングした機器に飛ばします。つまり、Bluetoothで音声を飛ばすことに非対応な機器(e.g. PS4, Nintento Switch)でもBTヘッドフォンが使えるようになります。
謳い文句のとおり遅延はいまのところ知覚できるレベルでは感じません。
ちなみにPS4もSwitchもあるんですが、依然から持っていたこんなUSB切り変え機をつかって楽に切り換えできています。
まとめ
リモートワーク環境では机や椅子が取り沙汰されることが多いですが、ミーティングを快適にするためにヘッドセット環境をみなおしてみました。
骨伝導は通勤で使うには音漏れの懸念があったので今まで考えていませんでしたが、通勤で使わない環境ではかなりマッチすることがわかりました。
最近のPCに内蔵されているマイク性能やノイズキャンセル性能が上がったとはいえ、円滑なコミュニケーションには何かしらのデバイスんを接続することは必須です(試しに打鍵しながら内蔵マイクで喋ったものを録音して聞いてみると良いと思います)。
みなさまもより良きリモートワークライフを送れますよう。